こんにちは!

ギャザクラ民、特に新式や最新の飯薬など、製作難易度の高いクラフトをされる方にとって、マクロは必須といっていいでしょう。

マクロを使うことで、ワンポチでHQ品質のクラフトを実行することができます。便利ですよね。

しかし人は欲深い生き物で、便利なものに触れてしまうとさらに便利な方法を追い求めてしまう。

どこまでも便利に、どこまでも楽に生きたいと思うのが人間の性です。

さて、ゲーミングPCの相棒としてよくおすすめされるのが「G600」というマウス。

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このマウスに付属しているソフトを使うことで、パソコンでプレイしている方であればキーやマウスの入力を自動化して、使い方次第でマクロの自動実行を行うことができます。

これを使って、いちいちマクロをぽちぽち実行せず自動で回しているヒカセンもいるでしょう。

ところが残念なことに、僕はMacユーザー。

MacとWindowsは、まるでエオルゼア諸国と帝国のように、あるいはイシュガルドとドラゴン族のように相容れない関係性。付属ソフトとの互換性がありません。

簡単にいうとMacではG600マウスの機能はフル活用できず、またマクロを自動実行させることができないということです。

そこをなんとか、マクロを自動実行させて楽をしたい。

むむむ、どうしたものか。

「聞いて… 感じて… 考えて…」

どこからともなく語りかけるそんな声とともに思い出したのが、Apple Scriptの存在。

Apple ScriptはMacを簡単なスクリプトで動かすことができる、Macに標準で搭載されている機能の1つです。

つまり、マウスクリックやキー入力を行うことも、それを一定間隔で繰り返すこともできるというわけ。これを活用することでG600のマクロ機能に近いことができちゃうのです。

「これをFF14のマクロと組み合わせることで、ホットバーをぽちぽちする手間が省けるのでは…」と思ったところから、実際にソースコードを書いてみることに。

非常に簡単な記述で動かせるようになるので、Key Codeを調べる時間を含めても15分ほどで完成させることができました。

Windowsでは当たり前にこういうソフトが出回っているものの、Macではなかなか見かけないのでもしかすると需要があるかもしれません。

ということで、ここからは僕が自作したマクロ自動実行用のApple Scriptを紹介します。ダウンロードしてそのまま使っていただけるようになっていますので最後までご覧ください!

スクリプトの概要

同じHQの品をひたすら製作したいという場合に、そのマクロを自動で繰り返すというものです。
製作マクロが2つに分かれている前提でスクリプトを組んでみました。

(一応製作マクロ1つ用のスクリプトも用意しています)

Macのデスクトップに置いてあるApple Scriptのファイルを実行すると、以下に示した順番で動いてくれます。

  1. FF14のゲームプレイ画面を開く
  2. 製作マクロ1を実行
  3. 製作マクロ1が終了すると、続けて製作マクロ2を実行
  4. マクロ2が終了し、製作レシピの画面に戻ると「製作開始」ボタンを押す
  5. 2〜4を繰り返す(製作回数は指定できます)
  6. 指定回数繰り返したらまた画面をスクリプトの設定画面に戻す

ただこれだけのシンプル設計です。

前提条件

  1. システムコンフィグ>ディスプレイ設定>スクリーンモード設定 が「仮想フルスクリーンモード」にしていること
  2. Macの仮想デスクトップ機能を使って、FF14の画面をデスクトップ1に、スクリプトの設定画面をデスクトップ2に配置すること
  3. 製作マクロ1をキーボードの「1」製作マクロ2をキーボードの「2」に割り当てていること
  4. 決定キーをキーボードの何らかのアルファベットに割り当てていること

スクリプトの稼働条件としてはこんなところです。
以下で詳しく説明します。

1.仮想フルスクリーンモードについて

システムコンフィグからスクリーンモード設定を「仮想フルスクリーンモード」にする

動作検証したのがこちらの設定のため、推奨です。
他の設定でも動くかもしれませんが、保証できないのでご注意ください!

2.FF14とスクリプトの位置関係

FF14をDesktop1に、マクロ自動実行スクリプトをDesktop2に配置する

このスクリプトでは、実行すると即時「1つ左のデスクトップに移動する」という動作を行います。

つまり、スクリプトの1つ左のデスクトップにFF14を配置しておくことで、FF14のゲームプレイ画面を開くことができるわけです。

デスクトップ1とデスクトップ2のように、隣り合うデスクトップの左側にFF14、右側にスクリプトの設定画面を配置してから実行するようにしてください!

3.マクロ実行のキーバインド

ホットバーにマクロをセットし、「1」と「2」に実行キーを割り当てる

「マクロ1を実行するにはキーボードの1を、マクロ2を実行するにはキーボードの2を押せばいい」という状態にしてください。

基本的にはホットバー1の左から順に 1,2,3,... とキーバインドを設定していると思いますので、その場所にマクロをセットしていただければOKです。

4.決定キーをキーバインドで設定する

キーバインドの「決定操作」を設定する

キーバインド設定を開き「システム」内にある「決定操作」のキーを設定してください。

FF14では製作が完了すると製作レシピの画面に戻りますが、その際「決定ボタンを押して再度製作開始する」動きを自動化するために必要な設定です。

僕は「E」に設定していますが、アルファベットのキーであればなんでも構いません。

設定項目

スクリプト側で設定してほしいのは

  • 何個作るか(=製作マクロの実行回数)
  • それぞれのマクロの実行時間
  • キーバインド>システム>決定操作 で設定しているキー

上記3点のみ。

スクリプト実行手順

ここまで終わったら、あとは簡単です。

1.スクリプトを開いてユーザー設定

スクリプトを開いていただければ、画面の上の方に設定項目がありますのでご自身で設定してください。

スクリプトの設定内容はコメントで書いているのでわかるはずです

ね、シンプルでしょ。

マクロの実行時間は、製作マクロの中の<wait.◯>の秒数を全部足してから、最後のアクション実行分として3秒を足してあげるといいかなと思います

そうやって計算した秒数をスクリプトの設定画面に記入しましょう。

2.飯薬を使う

忘れがちなのが飯薬です。

ステータスが足りないと当然うまくいきませんので、飯薬が必要な製作物であればあらかじめ使っておきましょう。

また、薬は15分で切れますので、必要であればスクリプトを止めて更新するようにしてください。

3.「製作開始」を押す

スクリプトを実行する前に、必ず製作レシピ画面から「製作開始」ボタンを押した状態にしておいてください

自キャラが製作のために座っていて、いつでも製作アクションを発動できる状態であればOKです。

4.スクリプトを実行

ウィンドウ上部にある再生マークを押すとスクリプトが実行されます

すべての準備が整ったら、真心を込めて実行ボタンを押すだけです。

あとはMacを操作せずに、指定回数の製作が完了してスクリプトの設定画面に戻ってくるまで待ちましょう。

大事なことなので繰り返しますが、スクリプト実行中はなるべく手を触れないでください。製作失敗のもとになります。

Tellがきた場合など、もしも操作したいときには、スクリプト画面に戻って赤丸の停止ボタンを押すとスクリプトの動作が止まります。

例えばマクロ1を実行中にスクリプトを停止すると、マクロ2は発動しませんので自分の手でマクロ2を実行して製作完了させてあげてください。

実行例

このスクリプトを実稼働させた際の動画を掲載しておきます。

インダガトル装備の素材になる「イルメナイトインゴット」を3つ、自動で作っている様子です。

4分半ほどあるので、見たいところだけ見てもらえればと思います。

ダウンロード

先にお伝えしておきますが、このスクリプトを利用したことによって起こる一切の損害について、Null Coccoは責任を取りません
ご自身の責任のもと利用してください。

製作マクロが2つの場合のスクリプト→ autorun_macro_2
製作マクロが1つの場合のスクリプト→ autorun_macro_1

※今回は製作マクロが2つの場合で説明しましたが、製作マクロが1つの場合はキーボードの1で製作マクロを実行するように設定していただければ使用感はほぼ同じです。

その他の注意点

超重要なので以下しっかり読んでください。

動作環境について

これはFF14のMacアプリでクラフターマクロを利用している方向けの自動化スクリプトです。
それ以外の環境には一切対応していません。

また、今後のmacOS、AppleScriptのアップデートなどが原因で利用できなくなる可能性がありますのでご理解ください。

※2024年8月9日現在、macOS Sonoma 14.5 MacBook Air(M1, 2020)の端末で動作を検証済みです

ラグによる製作失敗について

利用している端末のスペックやネット環境などによりラグが発生して、うまく動作しないこともあるかもしれません。
何度試してもうまく行かない場合は、製作マクロのwait秒数を大きめに設定して、スクリプト側で実行秒数の設定もそれに合わせてあげることで改善するかもしれません。

とはいえ完璧な動作は保証できませんのでご了承くださいませ!

著作権や再配布について

掲載したスクリーンショットには一部ゲーム画面も含まれますが、それらの著作権はすべてスクウェア・エニックス様に帰属します。
(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

ただし、このスクリプト自体の著作権はNull Cocco(Unicorn)の中の人にあります。
ダウンロードして使うことは構いませんが、再配布などは厳禁です。

FF14の規約に関して

これはとてもセンシティブな話題で、賛否両論あることは承知しています。
あくまでNull個人の1つの意見として述べておきます。

前提として、FF14では外部ツールはすべて禁止されていることはご存知の通り。

ただし何をもって外部ツールと判定するのか、その線引きが難しく、日々新しいツールが生まれる世の中において個別に判断を下していくことは現実的に不可能です。
それだけでなく、誰のパソコンにどんなツールがインストールされているか、各ユーザーのパソコンの中身は覗くことはできません。

そのため「外部ツールはすべて使用禁止」という一言に集約するほかない、というのが吉田プロデューサーが語った公式の見解です。

そうなると、ボイスチャットや連絡を取り合うために必要不可欠なディスコードや、新式装備に必要な素材を計算するために作ったスプレッドシートも外部ツールと言わざるを得ませんね。

また、刻限素材の取れる時間を地球時間でタイムリーに教えてくれるようなウェブアプリなんかもあったりします。これも外部ツールでしょうか?

となると、もはや攻略サイトすら、外部ツールと言っても差し支えない気がしてきました。

ですが、それらを取り締まるとなると、それもまた現実的ではありません。

ゆえに、僕たちユーザーは「運営がどういう意図で外部ツールを禁止しているか」を汲み取るのが大事だと思っています。

たとえばプレイヤーのDPSを計測するためのツールは、その数値を使ったハブりや嫌がらせ、晒しなどの行為につながるおそれがあるため、ユーザー同士のトラブルはもちろん、多くの人からFF14で遊ぶ楽しみを奪うことになってしまうかもしれません。

また、FF14のゲーム内の表示を変えてしまうツールは、スクエニのサーバーリソースを不正に利用することになり、運営側としても実害が出てしまいます。

こういう、誰かの迷惑に結びつくようなツールの使用を運営が許すはずがありませんし、こういうことを意識した「外部ツール禁止」の文言だと思っているわけです。

吉田プロデューサーも「外部ツールは一律違反だけど、取り締まる優先順位はある」というようなことをいつだったか言っていた気がします。

要するに「意図を汲み取って、モラルを持ってプレイしてね」という意味にほかならないでしょう。

では今回紹介するスクリプトはどうか。

ステータスを上げて製作難易度を下げるようなスクリプトでもなければ、マクロの実行速度が爆速になるようなスクリプトでもありません。

ただシンプルに、マクロの実行ボタンを押すのを自動で行ってくれるだけ。G600マウスに付属のソフトよりも、できることは少ないです

また、Macに標準で搭載されている「Macをスクリプトを使って操作する機能」にすぎず、信頼性が低くマルウェアが仕込まれたり、不正にサーバーにアクセスする可能性のあるツールでもないです。

要するに、FF14の外からアプローチするので外部ツールと言われれば外部ツールではありますが、誰にも迷惑をかけることなくただ自分がボタンを押す手間を省くだけのものです。

長々と必死の弁明に見えるかもしれませんが、規約に関して日頃から思っていることを述べさせていただきました。

結論、このスクリプトは規約に違反しないかどうかはわかりませんし、ペナルティがあるかどうかもわかりません(運営がどう判断するか次第)が、万が一このスクリプトの利用によってペナルティを食らっても自己責任で対処してください

やめてほしいこと

不在時や睡眠時にFF14を自動で操作する(いわゆる「寝マクロ」など)行為は明確にアウトとされています。

たとえば24時間ぶっ通しで製作しまくってマケボに流すなどの行為を容認すると、市場価格が崩壊したり、ユーザー全体に迷惑がかかるためだと思います。

あくまで画面の前にいて「自分がゲームをしている時間」の操作負荷を軽減するためだけに使ってほしいと思っています。

本スクリプトを稼働させて、あとは自キャラがせっせと製作しているのを眺めて癒される。これが僕が想定している正しい使い方です。

高難度レシピをフルオートで量産させるために作ったわけではありませんので、邪な考えでの利用は絶対にやめてください。

非公開にする可能性もあります

万が一スクエニ様から削除・非公開の要請があった場合は削除します。
そうでなくても気まぐれで非公開にするかもしれません。

それでは今回はここまで!
何か質問や不具合があれば聞いてください。

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